宇宙よりも遠い場所:解体新書(序)

私が好きなアニメ「宇宙よりも遠い場所(以下、よりもい)」ですが、幸いにして多くの方に評価していただいています。勿論嬉しいのですが、創作をしている者の端くれとして、やはり同じ様にいろんな方に楽しんでもらえる作品を作りたいと思い、放送から3年が経とうとしている今でも分析を行っており、そろそろ一度まとめようかなと思った次第です。

今回は序文です。この後各話の膨大にある伏線をまとめる記事も書く予定ですが、正直伏線(だと自分が思ってる箇所)や見どころがありすぎて、まずざっくりと全体の分析をすることにしました。

言わずもがな、内容に深く触れていますので見たことがない方はネタバレを含むどころか、何が楽しいのか分からないと思います。1日あれば見れますので、ぜひ1度ご覧になってください。(ニコニコや複数の配信サイトで見れます)

よりもいの不思議

本作の評価で驚いたのはその範囲の広さと好きな所のばらつき、だ。私は今でもこのアニメは自分のような道から外れたおっさんにしか受けないのではないかと思っている所がある。しかし現実は年齢はおろか、性格、人種の壁を超え、世界の至る地域でも評価されている。すなわち万人受けしているのである。

しかもただ評価が高いだけではない、好きな所が分かれるというのも他と違うところである。全体的に良かったという意見は一致していても、ではどこが一番好きなのか、という話になるとほぼ確実に話数やシーンが分かれる。特に南極に着く前がよかったという人と着いた後が素晴らしいという人でガッツリ分かれたのは驚きだった。

そうした評価に触れていって色々気づいた、この作品の良さの一端、構造の凄さと多様な価値観を"抱擁"するシナリオの深さについて、ここでは11話を例にして語っていこうと思う。

11話あらすじ

まずは構造について語る前に11話の流れを整理しよう。

11話は隊長の吟が旅の最終地点への内陸旅行へ行くかどうか迷っているのと並列して、新年の中継の予行練習が描かれる。そこで日向の陸上部に居た頃のメンバー達が登場し、それを見た日向は練習を抜け出してしまう。気になった報瀬が探ると日向は一度は誤魔化すも理由を話す。

日向は陸上部にいたころメンバーに説得され、いい成績を出した結果、先輩が代表から漏れてしまう。そのことで先輩がメンバー達を問い詰めると彼女らは「日向には空気を読めと言った」と嘘で誤魔化してしまったのだ。この事に傷ついた日向は陸上部を辞めるも、その後悪い噂をたてられ退学したのであった。

日向は彼女たちを許すべきか迷っていたと話す。「許せば自分も楽になるかもしれない。しかし、メンバーらがそれで安心しているのを見るのはムカつく。小さいな私は」と。この日向を見た報瀬は中継が始まる前にメンバー達を「日向に関わるな」と一喝。日向は泣いた。そしてそれを見ていた吟は内陸旅行を決意する。

よりもいは歌である

この11話に対する意見も様々だ。陸上部のメンバーは日向を傷つけたのだから許されるべきではない。和解を是とするアニメが多い中、許さなかったこの回を評価する。陸上部のメンバーに悪意は感じない。罵倒されるのはかわいそう。等

このようなツイート3年間見続け、色々考えていた私は最近ある事に気付いた。それは我々は日向を全く知らないという事だ。いや、11話で散々過去が語られたではないか、と思われるかもしれないが、それは日向の断片的な言葉(を映像化したもの)を受けた我々の想像でしかない。実際に何があったは描かれていないのだ。

普通のアニメならば回想の捉えられ方は限られてくる。なぜなら制作者の期待している効果は現在起きている事の理由付けであり、違う捉えられ方をすると物語が破綻してしまうからである。しかしよりもいは違う。日向の退学した過去も、結月の友達を作ろうとしてできなかった過去も、報瀬の馬鹿にされた過去も全てはそのキャラからしか話されていない断片的な物であり、実際に何があったかは重要視されていないのだ。重要視されていない。ここがポイントだ。

私も11話を初めて見た時は「日向は陸上部のメンバーに裏切られ、その後退部するも”日向の”悪い噂をたてられて居づらくなり、退学した」のだと思っていた(勿論、そうである可能性は高い)。しかしこう考えても成り立つ。「日向が退部した後、”メンバーらの”悪い噂がたてられ、居づらくなった日向が退学した」。これは過去を振り返るセリフの悪い噂の主語がないから成立するのである。我々は日向が心の底からあのメンバーを憎んでいるか実は分からないのだ。(ここについては次章でより詳しく見てみよう)

また報瀬の喝の言葉も見事だ。実際のセリフを見てみよう。

悪いけど、三宅日向にもう関わらないでくれませんか。

あなた達は、日向が学校辞めて、つらくて苦しくて、あなた達のこと恨んでると思っていたかもしれない。毎日部活のこと思い出して、泣いてると思っていたかもしれない。けど、けど・・・

「けど、そんなことないから! 日向ちゃんは今、私達と最高に楽しくて、チョー充実した、そこにいたら絶対できないような旅をしてるの!」(キマリ)

日向は、もうとっくに前を向いて、もうとっくに歩き出しているから。私達と一緒に踏み出しているから!

(中略)

私は日向と違って性格悪いからハッキリ言う

あなた達はそのままモヤモヤした気持ちを
引きずって生きていきなよ

人を傷付けて苦しめたんだよ
そのくらい抱えて生きていきなよ

それが人を傷付けた代償だよ

私の友達を傷付けた代償だよ
今さら何よ・・・ざけんなよ!

花澤さんの迫真の演技であたかも怒りをぶつけているように感じるかもしれないが、文章にしてみると最後の「ざけんなよ!」以外は、まるで諭しているような言葉が並ぶ。特に前半は日向は私たちに任せておけばもう大丈夫とはっきり言っている。もちろんこれはこれ以上関わるなという拒絶の言葉である。しかし私はそれだけでなく、チームメイト達に傷つけてしまった事を一生背負う覚悟を決めろと激励しているようにも感じた。

これがどう凄いのかというと同じ映像を見せているのに「自分の好きなように解釈できる」のだ。すなわち過去に友達に裏切られて傷ついた人は日向が裏切られたメンバーを報瀬が罵倒して救う勧善懲悪の話として観ることができる、逆に軽口から友達を傷つけてしまった人は画面越しに報瀬の言葉を受けて背筋が伸びる思いがしたかもしれない。そして最も大事なことはどちらに解釈しても破綻せず、非常にいい話になるようになっているのである。

我々ファンは細かく語られないよりもいのキャラ達の過去を知らないが故に、自分の過去の経験や他の創作物で得た価値観で自分用の物語を作って楽しんでいる。それはまるで歌詞に自分を重ね、気分を高揚させる歌のようでもある。それゆえに価値観の違う多くの世代や国や地域を超えて評価されるのではないだろうか。

またよりもいを見てもピンとこない人、というのも中にはいる。歌詞が自分向けではないと思ってしまう人にはよりもいは全く響かないだろう。しかしそれは当然の事なのである。

私は冒頭で話した通り、自分でもよりもいレベルの作品が作りたくて分析をしているが、この構成は誰にでもできるものではない。なにせメインのキャラ4人中3人、加えて大人達の信念を支える回想の内容を固定せずファンの想像に委ねるのだ。下手な作品なら全く機能せず作品自体が倒壊してしまうだろう。よりもいは数々の青春アニメを作った花田先生の脚本で回想に視聴者が介入しやすい構造を作ったうえで、素晴らしいBGM、作画、声優陣による演技、南極の知識、キマリという主人公など他の要素が作品を支えているため、この構成が成り立つのではないだろうか。

宇宙よりも遠い場所の面白さの構造

↑キマリや他の素晴らしい要素が、視聴者が自分を当てはめやすい構成を確保する

汝、価値観を抱擁せよ

続いて価値観を抱擁するシナリオについて

私は前章で日向の過去についてどうとでも取れると書いた。これは陸上部のメンバーらを”悪役であって欲しい”と望む人々は受け入れられないかもしれない。しかしここで考えて欲しい。ではなぜめぐっちゃんは絶好無効されてメンバーらは絶好を宣言されたのか、なんで報瀬の一喝を見て吟は最終目的地に行くことを決めたのか


1つ目のめぐっちゃんに関しては答えは明確だ。めぐっちゃんの相手がキマリでメンバーらの相手が日向だからである。立場が逆だったらどうなるか。キマリだったらメンバーらも許したかもしれないし、日向だったらめぐっちゃんの行動は許さず謝罪を受け入れて疎遠になかったかもしれない。よりもいのメイン4人はバラバラの性格を持つ。しかしそんな4人が南極へ行くという目的の為、ぶつかりながらもお互いを認め、一緒に行動するのである。

ここに多様な価値観を認める優しさと強さがある。どちらが正解という事はないのだ。よりもいが道徳の教材になると言っている感想も見たが、むしろこの作品は道徳的な事は勿論、社会において反道徳的と取られかねない価値観をもある程度認めている所が多様な人々に愛される理由なのかもしれない。

11話の構成で凄いなと思うところの1つに「先輩につめられたメンバーらが誤魔化で言ってしまった言葉に傷ついた日向が報瀬に問い詰められると誤魔化してしまう」というところがある。あれほどキマリ達が嘘ついてない事をいいと言った日向自身が嘘を付くのだ。それ以外にも見返すと日向はどこか自分の本心を誤魔化しているようにも見える。例えばメンバーらに対して怒りを感じていても、同時に結月があっさり消したメッセージツールの連絡先を消せずにいる。退学するほど傷ついたはずなのにぼろぼろの陸上部のシューズを捨てずにいる。

11話で日向は自分を知る者のいない新しい環境にいたいので南極に来たと言った。しかしそれだけではなく、もしかしたらちぐはぐな自分の状態をリセットしたくて来たのではないだろうか。しかし報瀬の一喝によって、日向の問題は「メンバーらを許す」「許さない」という選択がなされず「報瀬は許さない」という決着がなされた。ある意味モヤモヤした気持ちを引きずって生きていくのは日向もそうなのである。ただ今の日向には報瀬がいる。自分がどんなに自分を嫌いでもそれをまるごと認めてくれる盟友が。きっともやもやも以前ほど苦しくないのではないだろうか。


報瀬の一喝はメンバーらではなく、吟達中継を見守る大人組にも刺さる事にも注目したい。大人組は遭難した貴子を仕方なく南極に置いたまま帰国してしまった人々である。ある意味仕方がなく先輩に誤魔化しの言葉を使ってしまったメンバーらと同じなのである。また報瀬自身にも一喝の言葉が刺さる。報瀬は母の遭難を知ってから3年間バイトでお金を貯めてきた。それは中学時代にいた友達と疎遠になることを意味している。南極に行くことをまわりに反対された報瀬は、それでも我を通した結果、恐らく周りの人を傷つけている。しかしそれでも彼女はそんな自分を間違ってないと奮起する。人を傷つけた事実を自覚しながらも、それを抱えて目標に向かって邁進しているのだ。

更に言うとキマリもめぐっちゃんの尊厳を傷つけてはいるし、友達の意味を理解していなかった結月も何回か遊びに行こうと誘ってきた3話の2人を傷つけているかもしれない。実は11話のあのシーンで日向の周りにいた人々全てが誰かを傷つけている可能性があるのだ。罪はないかもしれない。でもその事実は一生抱えて生きていくしかないのだ。

故に吟は報瀬の一喝を受けて最終目的地へ行くことを決断したのだと思う。自分達がやりたかった事をやり通すこと、また報瀬がその強さを手に入れている事を確認できたからこそ危険の伴う内陸旅行を決行出来たのではないだろうか。


この後各話の伏線などを列挙したり語ったりしていくが、もしかしたら貴方は納得できないかもしれない。或いはどういう経緯か、よりもいが嫌いなのに見てくれた人もいるだろう(ありがとうございます)。仮にそうだとしても、自分を否定しないで欲しい。例え人に何を言われようが、どうするかは自分次第。喜び、怒り、妬み・・・様々な感情とそれを生む多様な価値観、それら全てを抱擁し、前に進むことの尊さをよりもいは教えてくれている気がする。


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おまけ
オチが特にないので11話をリアルタイムで見た時書いてしまったポエム置いておきますw
3年間かけてようやくこのクソでか感情を言語化できたかも。

https://twitter.com/shoyofilms/status/973583086955896832

【オンライン展示あり】ゾイド源泉(コンセプトアート展)が素晴らしかった件

ゾイドシリーズの生みの親でもある徳山光俊氏、開田裕治氏らのコンセプトアートを展示するイベントが渋谷であったので、献血のついでという名目で行ってきました。
会場に行けない方もオンラインで展示を見られるようなので是非ご検討ください。

開催情報はイベント公式から

一部紹介(館内撮影・ネット掲載OK)


渋谷にでかでかとゾイドの文字が躍るなんて


会場の様子


ゾイドの世界観。昔のファンは驚くかもしれませんが、最新のアニメの舞台は惑星Ziじゃなくて地球です。



ガンブラスター!会場にはこうした図面的な物から


マッドサンダーやシールドライガーなどが活躍するイメージボード的なものまで多数の絵が展示されていました。




これは黎明期のCGアニメの傑作と呼ばれる平成の初代ゾイドアニメの頃(1999年)の機体。この頃もゾイドは結構ブームになりました。



最新シリーズのゾイドワイルドのコンセプトアート!昔ゾイドにハマった人は今のシリーズも見て欲しいです。普通に面白いですし、CG技術の進化にも驚かされます。


伝説のライオン種を発見するコンセプトアート。カッコ良すぎない?
(低い所にあって上手く撮れなかったので補正かけました)



本当に絵が綺麗で見ごたえがあります。例えばこの背景のゾイド、ぶれてるように見えるのは私のカメラの腕ではありません。実際に二重になるように描かれています。


ゾイド以外にも世界観を構成する重厚な設定画が多数あり、SF好きの心をくすぐられます!






少しだけジオラマもありました。ぜひ正面から見てみてください!


すっかり感化されたので私もメッセージボードにオリジナルのライトニングサイクスの次世代機を描いてきました。いつかコンセプトアートにしたり、3Dモデルで実際に動かしたりしたいですね!

思った数倍良かったです。思わず金欠なのに画集を買ってしまいましたw

行ける方は是非渋谷へ(出来れば献血と)感染対策をして行ってみてください。そうでない方も是非オンラインで楽しんでください。
(オンライン閲覧の方法は公式にあります。)


イベント公式から

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【天城雪子誕生日記念】天城アギダインカップを開催しました【ばんえい競馬】

ペルソナ4の天城雪子が誕生日を迎えるので、当日ではないですが、記念競馬レースを開催することになりました!

ぜひ皆さんに楽しんで欲しいのでばんえい競馬やレースの概要、参加方法などをまとめます。ちなみに天城雪子とばんえい競馬は全く関係ありません。すみません。何でこうなったかは後で書きますm( )m

恐らくファンの方が一番気にされる権利関係なのですが、当初、お金だけ払えば好きに名前つけていいのかなと思っていたら、アトラスの許可が必要とばんえい十勝さんに教えていただき、結局許可はいただけなかったのですが、この名前で開催は問題なく出来るようになりました。つまりはそういう事です。雪子はゲーム内では未成年なので賭け事に名前が使われるのはどうなのかなとも思ったのですが、暦通りなら彼女は既に成人してるのでそれも問題ないと判断しました。

雪子の誕生日絵兼ポスターも描きました

開催概要

日時:2020年12月12日(土曜日)第3レース
レース名:天城アギダインカップ
中継(無料):
ニコニコ:https://ch.nicovideo.jp/niconicokeiba
Youtubehttps://www.youtube.com/channel/UCOHh3-nl7AfDJJElkNBwG8w
地方競馬LIVE:http://keiba-lv-st.jp/#track=obihiro

※馬券の買い方は下記参照。ネットからも買えます!JRAのサイトからは買えないので注意!
※馬券を初めて買う方はいくつか準備が必要なので前もってご用意ください!
※その他の情報はばんえい十勝さんまで

ばんえい競馬とは

サラブレッドが活躍する平面のコースとは違い、コースに2つの山が存在します。そこを荷物を曳いた馬が走り抜けていくのがばんえい競馬!馬の持久力が試されます!



障害の山を越えるから天城越え、とか最もらしい理由を考えましたが、前述のとおり天城雪子とばんえい競馬は全く関係ありません。私が漫画「銀の匙」を読んでばんえい競馬面白そうと思ったのと、協賛レースを一回やってみたかったというのが大きな理由です。

しかし平地を走るスリムなサラブレッドとは違う、マッシブな馬の競争は見ごたえもあるのでぜひ参加してみてください!

レースを見る(無料)

レースはニコニコ生放送他のサイトで中継されます。レース前には各馬の紹介や見どころの解説なども挟まれるのでご覧になる場合はちょっと早めにアクセスするといいかもしれません。

ニコニコ:https://ch.nicovideo.jp/niconicokeiba
Youtubehttps://www.youtube.com/channel/UCOHh3-nl7AfDJJElkNBwG8w
地方競馬LIVE:http://keiba-lv-st.jp/#track=obihiro

馬券を買う

馬券は現地の売店のほか、ネットではオッズパーク、Rakuten競馬、SPAT4で購入できます!
https://banei-keiba.or.jp/ticket.php

私はオッズパークを利用していますが、Rakuten競馬ならJRAの馬券も買えますしそれぞれにメリットがあります。買い方はそれぞれのサイトでご確認ください。
オッズパークの場合、アカウント作成→口座登録→馬券購入です。少し時間がかかるので購入を検討する方は早めに口座登録を行ってください!)

ちなみに馬券は当日の指定時間以降じゃないと購入できませんのでご注意ください。


雪子ファンのアトラスファンの皆様それ以外の方のご参加を心待ちにしております!
あと雪子の誕生日(12/8)も祝ってくださると幸いです!

レースが終わって



特典の騎手の方のサインや優勝したピッコロステラの写真などをいただきました。

これに2万円を払う意味があったかは皆さんの判断にお任せしますが、
私は知らなかった世界を少し知ることが出来てとても楽しい思い出が出来ました。

最近(2021年2月)ウマ娘のアプリがリリースされ、ばんえい競馬も注目を集めているようですが、もし良かったら皆さんもレースを開催してみてはいかがでしょうか。



何か質問などございましたらShoyoFILMSまでご連絡ください!

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おまけ
邪神ちゃんドロップキックとネタ被りしましたw
https://banei-keiba.or.jp/ed_detail.php?id=669

【令和の大建立】格ゲーマーマイクラ ウメハラ記念碑の設計図の裏話(詳細版)

格闘ゲームのプレイヤーが集まってマインクラフトをする企画でプロ格ゲーマーの梅原さんCPT予選優勝で突然立ち上がった巨大な絵を作るという企画。私は設計図をつくるお手伝いをしてましたので、その裏側をご紹介します。総師範KSKさん(以下、KSKさん)了承済みです。


↑右下にアールさんいたのみんな気づいた?w
あと「格ゲーマーマイクラ」じゃなくて「格ゲーマイクラ」になってましたすみませんorz

まずは完成した絵を見ていただきたい。

これは格闘ゲームのプレイヤーが集まってマインクラフトをする「格ゲーマーマイクラ」で完成された巨大な絵、つまりMinecraftのブロックを積んで作られたものなのだ。1ブロックを1m立方とすると、全長191mx高さ199m。67種の計24582ブロックを素材無限のクリエイティブでもなく、出力に自動ツールを使わず、全部素材を集めて1つずつ積んでいくサバイバルモードで作ったものだ。しかもチームの半数がマイクラをはじめて半年も経っていない。


制作に関わったクラフター達(大須さん撮影。掲載許可をいただきました)

この絵はプロ格闘ゲームプレイヤーの梅原さんが大会の地域予選を突破し、本選に出場することとなったのが制作のきっかけである。当の梅原さんの反応を見て欲しい(反応の位置から再生されます)



さて、上記の動画でも名前を出していただいて光栄であるが、タイトルにもあるとおり私はこの絵の設計図を担当させていただいた。その顛末の簡略化された概要はこの動画で語っているので(字幕付き)、ここではより詳細に余談も交えて話させていただこう。

設計図に着手するまでの(マイクラ熱復活の)話

私は元々マイクラが大好きだった。サーバーを作り仲間と遊び、クリスマスやハロウィンでマイクラのコスプレをし、毎年マイクラ公式に贈る年賀イラストをマイクラで作っていた。超会議にもユーザー記者としてマイクラのコスプレで参加したことすらある。


イクラ開発者に今も毎年送ってる年賀イラスト(クリエイティブモード)

年賀イラストだけは今も続けているが、サーバは外部ツールを使ったバージョン間の移植に失敗し、閉鎖となってしまった。その結果プレイはバージョン1.9以降ほとんどしなくなっており、他の方の動画だけ見る状態が続いていた。しかし梅原さんが格ゲーマーマイクラで目を輝かせてプレイしている様子を見ているうちに自分ももう一度やってみたくなり、今は配信を見ながら一緒にシングルのワールドでコツコツ遊んでいる。

格ゲーマーマイクラでリーダー役を押し付けられていたKSKさんが他の方と巨大絵で積むブロックについて喧嘩していた時も「大変だなあ」と呑気にマイクラの家の整理をしていた。この後自分も大変な事にまきこまれに行くのを知らずに。その後設計図が必要だというコメントをKSKさんに読んでいただき、誰か手伝ってとおっしゃていたので、言い出しっぺの責任を取って設計図を担当することにした。

設計図作成

さて、そうして設計図制作を請け負うことになったのだが、そもそも皆さんは配信でちょっとだけ見えた以外は設計図がどういう物か分からないのではないか。

これが右腕の部分の設計図だ。


よく見えないだろうからもうちょっと拡大しよう


マスに白とかグとか書いてあるが、この1マスが1ブロックであり、文字がそのブロック名になっている。外側の赤いマスは白い羊毛だがここは作成しない。例えば白は「白色のテラコッタ」である。ただし「白樺の原木」かもしれないし、「白樺の板材」かもしれないから注意だ。こういうマスが256x256マスある

この設計図はくりさきさんが作ったツールで制作されたものだ。
https://kult0922.github.io/minecraft_dot_vue/

上の裏話動画で言っている通り私は設計図を担当することになった夜、くりさきさんに連絡をとり、ツールから設計図を作れるようにできないか頼み、近々にそのアップデートが行われることを知った。ただ万が一その設計図が手作業で積むことを想定していなかったり、機能にバグがあった場合に設計図がない状態をさけるため、同時並行で手作業で設計図作成を行った。


それがこちらである。各マスに■を入れて置くと左のセルから文字がはみ出ないという他では使い道がない技にも開眼しつつ、ブロックごとの微妙な差をPhotoshopで横に並べて見分けるため、画面の反射を抑えるためにカーテンを閉じ、明かりを消した部屋でひたすら水瀬いのりさんの「旅の途中」をヘビロテしながら、ツールのアプデが来るまでに4日で4割ぐらいまで作った。

なにせブロックの種類が67もあるのだ。目視で見分けるのがとてつもなく難しい。黒い羊毛の中にまぎれた黒曜石とか

↑黒曜石あるのわかります?

微妙に茶色が違う原木とか

↑このエリアに4種類の原木が使われています。

あと設計図がなかった時に論争がおこった茶色のテラコッタエリアなど難関はいくつもあった。

↑正直これを最初設計図無しで作ろうとして喧嘩になったのも納得である。

最終的には機械的に作られた設計図をエクセルの機能でテストして一部以外問題がなさそうなので(その一部のエラーは修正して)渡した。


正直、漫画を描いたことがないのにコミケに漫画を出した時の方が2倍ほどつらかったし、配色など絵に関する知識も分かったので楽しい作業ではあった。私の作業は終わったわけだがしかし問題はここからだ

地獄の素材回収・積み上げ作業

私が関わる前から絵の素材の収集は終わっていた。しかしツールがアップデートされたことで必要なブロックが変わったのだ。

しかもよりによってネザー(地獄)で取れるグロウストーンが多くなってしまった。

↑腕のちょっと明るい所にグロウストーンが増えた

そこで私は必要なブロックの数の差をエクセルの機能で算出しKSKさんへのメモを設計図にいれていた。

↑グロウストーンの差分に注目

しかしKSKさんは完璧にこだわりたいのか、撮れ高重視なのか、凡ミスなのか知らないがそのメモをまさかのガン無視!設計図通りに積む作業と文字通り地獄の素材回収作業が始まった。配信としては面白かったので観てない方はぜひ見て欲しい。

↑これは格ゲーマーマイクラでなく、裏話動画の1シーン。KSKさんの真意はいかに。

本当に良く一人も脱落せずにイクラ歴数年の私から見ても苦行を乗り越え、完成までこぎつけたものである。



そうして改めて絵をみると感慨深い物がある。我々がよく知る歴史的建造物の建設の裏にもこうした人々の苦労や努力があるのかもしれない。そう思った2020年の8月だった。私は楽しかった。

改めて制作に関わった全ての人へ敬意を!そして梅原さん予選突破おめでとうございます!本選も楽しんでください!!


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【ネタバレあり】FGO考察「3重世界説」テキスト版

FGOの考察(妄想)動画を作る予定ですが、テキストの方が読みやすいかもしれませんので先にテキストでも公開します。FGOを知らない方にとっては(知ってる方でも)考察動画特有の言い回しを使ったりしているので、混沌とした文章になっていると思いますが、ご了承ください。

【注意】

この考察は冒頭から2部5章(と2部後半OP)までのネタバレを含みます。2部5章をクリアしていない人はクリアしてから見ることをお勧めいたします。SNSでの拡散にもご注意ください。

また、この内容は1個人の考察というか妄想であり、FGOの先の展開を予想するよりも「実はこうだったら面白いよね」という発想で作っているので、当てることを目的としておりません。公開することで、公式に迷惑がかかるかもしれないのは重々承知ですが、ただのお遊びですので、公式に事実を問い合わせるなどの行為は絶対にやめてください
↓以上の事に同意できる方のみスクロールしてください。

なお記事中の画像は「いらすとや」さんのイラスト(規約内利用)、ゲーム画面は自分のプレイで撮った物、及び「どどりあ」さんの実況の物を許可をいただいて利用させていただいています。めっちゃ長いし、画像も一杯あるからできればWiFiのあるところで読んでね。過去の動画から取得しているので現在は修正されている可能性もあります。



SNSに投稿した時にサムネイルでネタバレをぶちかますのを防ぐための画像です。
※三重にしちゃうと意味が変わるのでご注意ください。

更新履歴
(8/1 21:00)一部誤りを訂正・分かりにくい部分を加筆しました。
(8/1 22:25)一部分かりにくい部分を加筆しました。
(8/1 22:44)マリスビリーが大聖杯を使わないで根源に至ろうとした箇所について画像をいただきましたので反映しました!このめ様ありがとうございます!!
(8/2 0:10)ホームズの体験クエストの箇所について動画をいただきましたのでスクショを作成し、反映しました!ふるかー様ありがとうございます!!
(8/3 0:21)一部誤りを訂正しました(コフィンに入っているクリプターを遺体と書いていました)





































遂に登場した異星の神ことUオルガマリー。
しかしそもそもなんでオルガマリーなんだと思った兄貴たちも多い事だろう。

そこで今回はUオルガマリー、そして独自に発見したある事実によってカルデアの設定について考察したい。また考察とは関係ないがちょっと気になったことについても触れている。

なんでオルガマリーなの?

原文によると異星の神は空想樹の魔力とオルガマリーの体を使って降臨した。
しかしオルガマリーの肉体は序章でカルデアスに接触して分解されたではないか。
魔術をつかって復元したのか?と誰もが疑問に思っているはずである


↑分解される時サーヴァントの消え方なのは?

そもそも異星の神と名乗っておきながら地球人であるオルガマリーの姿で降臨するとはどういうことか。地球は異星ではないはずだ。

一見矛盾に思えるかもしれないが、ここで考察大好き兄貴たちならある一つの仮説が思い浮かんだのではないだろうか。そう、異星の神の異星とは地球の外の星ではなく、地球の中にあるカルデアスの事なのではないかという説だ。

異星の神 カルデアス説

カルデアスは「惑星には魂があるとの定義に基き、その魂を複写する事により作り出された小型の擬似天体」。これが異星であるならそこに接触した最も大きい物体であるオルガマリーが肉体として使われるのも何となく理解できる。

カルデアスは地球のコピー(バックアップ)?


更に異聞帯や異星の神の推測にも合致する。異聞帯とは人理によって剪定された歴史。
剪定とはいくつも世界が存在する平行世界で行き止まりを迎えた世界を容量の確保のため切り落とすことだ。しかしそうなると剪定された歴史のデータは容量を空けるために破棄されるのではないか。仕事で間違って消したデータが(復元ソフト等特別な操作以外では)戻らないことがあるようにいくら空想樹という魔力の塊があっても消したデータは元に戻らないのでは?

↑平行世界には異聞帯を保持するだけの余裕はない?

この疑問はオリュンポスでカドックが盗み見たオフェリアの仮説でも近い物が示されていた



しかしそこでカルデアスあると話は別だ。カルデアスは100年先までの惑星の魂の複写なのである。
歴史のデータのバックアップが取られていてもおかしくはない。空想樹を使ってそこから剪定された歴史のデータを持ってきて地球上に出力すれば異聞帯が完成する。


カルデアス(バックアップ)からデータを出力したのが異聞帯?


またカドックは異星の神は地球上にあった物しか使えないのではと推測している。


もし異星の神がカルデアス由来なら異聞帯と同様に複写された地球のデータしか使えないので
この推測も成り立っている。

中身

だが待ってほしい。カルデアスはただの装置だ。それが意志を持つことなどあり得るのか。

結論から言うと大いにある。
例えば惑星の魂をコピーしたことでガイアの意志を持ってしまった、あるいはゲーティアのようなビーストや神霊の魂までコピーしたことで意志を持ってしまった、という可能性もある。

だが私個人としては、メタ推理だが既にどこかに伏線が張られていると考えており、そこからホームズの体験クエストがヒントではないかと思っている。つまりシミュレーター内のダストデータが集まって、一つの疑似生命と化しているのだ。


ホームズの体験クエストをご存知ない方の為に紹介すると、カルデアの戦闘シミュレーターにダストデータ(終了時に削除しきれなかったデータの破片)が蓄積し、モンスターになっていた。カルデアスでも1部でレイシフトで繰り返し使用されたことで同様の事が起きたのかもしれない。

カルデアスには事象観測電脳魔ラプラスという装置もあり、ここにダストデータが溜まって暴走した可能性もある

※※どなたかホームズの体験クエストのスクショや動画上げていたら使わせていただけないでしょうか。※※








↑ふるかー様より動画をいただきスクショを作成しました。ありがとうございます!!


また私はこのカルデアス内に発生した意志にオルガマリーの精神も少し混ざってUオルガマリーが発生したと考えている(本人がオルガマリーを名乗っているので)


FGO3重世界説

さて、竹帚日記によれば、オリュンポスが終わってようやく「クリプター編」が終わったようだ。しかし実際の所、謎は深まる一方ではないか?

・マリスビリーは何がしたかったの?
・クリプターって一体何?
・白紙化って何で起きたの?
・異星の神は何のために降臨したの?

他にも謎はあるが(ビーストとか)、この4つの謎について考えるうち、私はある一つの結論に辿り着いた。それはFGOの世界が3重の世界になっているのでは?という物である。

3重の世界とは

世界が3重になっているというのはどういう事か。それは世界の中に別の世界が内包されているということである。前述したカルデアスを思い出していただきたい。カルデアスは地球上にありながらその中には地球のコピーが存在している。これを2重の世界と定義する。

ではもう一つの世界はどこにあるかと言うと、FGOの世界が外側の世界のコピーなのではないかと私は考えたのだ。つまりFGOの世界自体が魔術的に作り出された仮想空間なのではないかという話だ。



絵で描いてみてもむっちゃ分かりづらいが、要するにこういうことだ。FGOの(物語の)現実世界内にカルデアスのような魔術的な演算装置があり、その中で「FGO」というシミュレート実験が行われている。その「FGO」の中に我々の知るカルデアスがあり、そこの中にも世界があり、異星の神が顕現した。
(以下、外側の世界のカルデアスでシミュレートされたものを「FGO」と表記する)

なお根源はFGOの現実世界の更に外側というか別にあり、FGO世界の根源とも同一(接続している)だと考えている

さて考察好きな兄貴たちならこう思った事だろう。やれやれ、また夢オチ展開か、あるいは最近否定されたシミュレーション仮説か、と。そんなのは考察に困った奴がでっちあげるアホな結論に過ぎないと。私も正直そう思う。しかし数々の根拠がそうではないかと思わせるのだ。

仮想世界の根拠




まず、オリュンポスではキリシュタリアが体験した特異点解消の旅が描かれた。主人公とどっちが先かは不明だが、一度解消した同じものを何度も繰り返しているように思われる。つまりこれは実際に行われたものではなく、シミュレーター内で行われたものなのではないか。
(考察が正しければFGO世界のカルデアスの中でおこなわれたのではないか)

ただ、これだけなら我々の知るカルデアスだけで実行可能だ。世界が3重であるということはこれと同様に、主人公達のこれまでの冒険も仮想世界だったと証明しなければならない。

では、少し長くなるが付き合っていただきたい。私は「絶対魔獣戦線」のアニメ放映時、好奇心から池袋の古代オリエント博物館で手に入れたメソポタミア地方の地図と1部7章のマップを元に、アニメで起きたイベントがどこで発生したかをツイッターに毎週投稿していた。



↓こちらにまとめてあります。
【毎週更新】アニメ「FGO絶対魔獣戦線バビロニア」状況マップ

事件は14話で起きた。ゴルゴーンの鮮血神殿を破壊するためにマルドゥークの斧を投げる作戦を立てていた時にケツァルコアトル北壁からの距離を30kmと話した。アニメでもゲーム本編でも同様だ。



しかしマップを参考に実際の地図で計算するとどう考えても2~300kmぐらいある。これはどういうことか。



単なるライターさんのミスや無関係な設定という事も考えられるが、私はこれこそが主人公達の世界もシミュレートされていると考えている。つまり、主人公達は1/10スケールの地球上で「FGO」を体験しているのではないか。

根拠は他にもある。主人公達は最新の章だと特異点を潰し終え、現在異聞帯の空想樹を伐採して回っているが、特異点も異聞帯も一度クリアするとその世界はなかった事にされてしまうはずである。しかしフリークエストなどで異聞帯に入る事ができるのだ。

↑空想樹を伐採したはずの異聞帯に入る事が出来る

勿論これはただのゲームのシステムという可能性もある。しかしFGOはストーリーの演出に関してはシステムも使って、意外と細かいところまで再現しているのはプレイヤーなら理解できるのではないだろうか。

更に、もし世界がシミュレーションなら意味が通る場面がある。FGOの冒頭主人公はカルデアに入所後、模擬戦闘を体験する。勿論これもバトルのチュートリアルなだけかもしれないが、主人公がバトル後にシミュレーターから出た描写はない。もしかしてこの時からずっと現実世界のカルデアスのなかで「FGO」を体験しているのではないか。

FGO開始直後に主人公はシミュレーターに入る。この仮想世界からまだ抜けていない可能性はないか。

1.5部のPVでゲーティアらしきボイスで「致命的な見落とし」が語られたが、もし3重世界が本当だとすればこれこそがまさに見落とした点、つまり「貴様らの守った世界は所詮偽りの世界に過ぎない」という事なのかもしれない。

以上が3重世界の根拠である。以降はこれが事実だとして以下の要素を妄想していく。なお、3重世界説は5月ぐらいにコロナ禍中の自宅待機中に暇で考えていたことだが、ネタバレを極力回避しつつ出すタイミングや最後の1ピースを探す間に2部後半OPが来てしまったので合わせて考えていく。

A)マリスビリーの目的
B)白紙化と空想樹
C)クリプターとは
D)異星の神
E)この考察の問題点
F)最後の1ピース

※ちなみに割と長いのでEから読んでも大丈夫です。

マリスビリーの目的

さて、FGOにはカルデアスを作ったマリスビリーという魔術師が登場する。彼は時計塔の12のロードの一人であり、聖杯戦争に勝利したことで莫大な資金を得て、カルデアを創設し初代所長に就いた。しかし主人公がカルデアに来る前に殺されている。なおオルガマリーは彼女の娘である。

彼の目的だが私は型月の他の魔術師がそうであるように彼も根源へ至る事を目的としていたと思っている。しかし彼は大聖杯による到達は望んでいなかったとされている。TYPE-MOON Wikiにもそう書いてあるけど要資料※


↑このめ様よりスクショをいただきました。ありがとうございます!!

彼の行動には多くの謎が残されている。例えば聖杯戦争に参加した事もその一つ。ソロモンを召喚できたため、勝利は容易だったかもしれないが、そもそもFGOの世界は電力で魔術装置を動かして100体を超えるサーヴァントを維持させられる世界。ソロモンを召喚できる触媒があるならリスクのある聖杯戦争参加などせずに、根源を目指せたのではないか。

その他にもいろいろあるが、それら全てがもしこの3重世界の内側、膨大なシミュレーション「FGO」を彼が作ったというしたら見えてくるものはないか。例えば聖杯戦争に参加したという事実もFGO世界にカルデアを(カルデアスを)設置するための設定、作り話なのではないか。


FGOの現実世界の彼は今も生きていて、カルデアスの前で今も計測を行っているかもしれない(2部後編OPより)

では、なぜFGOという仮想の世界にさらにシミュレーターを置く必要があったのか。それは彼がその行為で根源へ到達できると考えているからだ。私の考えでは根源はFGOの現実世界と地続きではない。何かしらのリンク、あるいは障壁を突破するための力が必要なのだ。

そこで彼は計画を立てた。異星の神を誕生させるのがその目的だ。

カルデアスの中にもう一つの世界、FGO世界を再現し、さらにその中にカルデアスを設置。その中に膨大な戦闘のデータや異聞帯のデータを放り込み、最後にFGO世界のオルガマリーの魂を入れることで異星の神が発生。最後にその異星の神がFGO世界のカルデアスからFGO世界に現界するさまを観察することで現実世界の彼もまた根源へ至る術を入手できるのではないかと。


↑異星の神が現界する仕組みを観察し根源へ至ろうとするマリスビリーの図

白紙化と空想樹

地球上の殆どが更地にされた白紙化現象と宇宙を内包する構造物、空想樹。この2つに関する一番ホットな謎が白紙化が空想樹によってもたらされたものじゃないというところだろう。



順番としては白紙化→空想樹降臨と言うのが正しいらしい。これも先までの説で説明が付けられる。つまりこれは異星の神降臨の為の処理なのだ。

マリスビリーの目論む異星の神降臨。しかしそれは容易に出来るものではない。異星の神もゲーム内で降臨には「器」が必要であるかのように発言している。


↑虚空の星にありしってことはやはり星はカルデアスのことなのでは?

恐らく異星の神の肉体はオルガマリーの肉体と空想樹の魔力で構成されているのではないか。そしてその空想樹が降りるためには下地となる特殊な文明が必要であり、その文明を敷くために地表の白紙化が必要なのではないかと思われる。つまりこうだ。

白紙化→異聞帯敷ける→空想樹育つ→異星の神降臨

これだけのことを現実世界で行うにはとてつもない魔力が必要だが、もしFGOの世界がカルデアスの中のシミュレーションならそれも可能と言えよう。

ちなみに降臨はしているが、現状の異星の神はマリスビリーの望んでいる(世界の壁を破って外に出る)状態にはなっていないのかもしれない。2部6章のタイトルが「星の生まれる刻」なので、その途中でカルデアスを破って完全なる異星の神が登場するのかも知れない


↑中から異星の神が現界し、生まれることで破られかけているFGO世界のカルデアス?(2部後半OPより)

しかし万が一生まれてしまったら、マリスビリーはシミュレーション、つまりFGO世界の運行を止めてしまうかもしれない・・。

クリプターとは何か

クリプターとはマリスビリーが招集した魔術師である。本来成績トップの(マシュを除いて)7人ということだったが、ストーリーを追っていくとどうもマリスビリーが裏から手を回して7人全てが選ばれているように思われる。

私は彼らは本来FGO世界、つまりシミュレーションを内部から運営するスタッフのようなものだったのではないかと思っている。役目はFGO世界の内部に異星の神を誕生させるために異聞帯を育てることではないだろうか。

クリプターで気になる事と言えば、2部序章でクリプターの遺体が凍結されていたものが消失したことがあるが、あれは何だったのか。仮にFGO世界が現実なら体は運び出されていてもその痕跡は何か残るのではないかと思われるが、それがなかった(それを描くのが面倒だった説大いにアリだが)



これも彼らがマリスビリー同様、FGO世界ではただのアカウントで2部序章で体のデータが不要になったので外部から消去したのだとしたら納得がいく。
(1部では主人公達に守る物としてコフィンの中身はそのままにしておいたと思われる)

ちなみにこの考えが当たっているならマシュもクリプターとして派遣されていることになるのだが、どうなんだろうか。マシュだけ役目から外されていたのか、はたまた彼女自身には役目があって忘れているのか、忘れさせられているのか・・。

異星の神

マリスビリーの目的が異星の神の完全現界の観測だとして、異星の神はそれに利用されているものの、その事実を知っているように見えない。彼女には彼女の目的があるようだ。それはなにか。

私は彼女がFGO世界から信仰を集めようとしているのではないかと思っている。



2部4章で示されたように神とは人々の信仰がなければ弱体化する。神であり、地球国家元首を名乗る異星の神はどこか他人からの崇拝、畏敬の念あるいは社会的承認を求めている気がする。

これは元となったオルガマリーが肉体があった時「誰からも褒められていない」と感じていたことも影響しているように思える。

これは余談だが、1部序章でオルガマリーはFGO世界のカルデアスの中で無限に死んでいるとレフ教授に表現されたが、そのカルデアスの中にも世界があったとすると、もしかすると彼女は常に燃やされ、その世界の一部となりつつも異星の神に変性するまで、その世界の誰にも認識されない状態だったのではないだろうか。人や文明を飲み込んで一緒に燃えることでしか他人と関われない怪物になってしまっていた彼女は元のオルガマリーの記憶から外の世界には自分を認めてくれるかもしれない誰かがいる事を知り、世界を徐々に掌握しながら無限に近い試行の後、殻を破る方法を編み出したのかもしれない。


(2部後半OPより)

もしこれを見越して(現実のオルガマリーは別として)FGO世界のオルガマリーに愛情を注いていなかったならマリスビリーの徹底した計画には感心するほかない。


↑キリシュタリアがオルガマリーを見つめる視線は単純な憐憫なのだろうか・・。(2部後半OPより)


また異星の神で気になるのがどうもORTを取り込もうとしているというところではあるが、どうしてもオルガマリーから勝てないのではという印象を抱いてしまう。しかし、もしFGO世界がシミュレーションならORTも本物ではないため、勝つ可能性は十分にある。まあその場合でもFGOの現実世界にはORTがいる事にかわりはないのだが・・w

この考察の問題点

さて、散々語ってきた3重世界説だが、1つ大きな問題点がある。

それは仮想世界を説として出している所だ。数々のFGOの謎を説明した?本説であるが、これは説明出来て当たり前なのである。なぜならこの説はFGOの世界は仮想世界で何でもアリですよ。と言っているのと同じだからである。例えば2部であれほど死に別れ、我々にダメージをあたえてきたキャラ達も簡単に復活できてしまう。考察に親しみがない方にも考察の結論で仮想世界を出すのが邪道なのはご理解いただけるであろうか。ちなみ創作でも仮想世界物は本当に上手に作らないと駄作になってしまう。EXTRAのようにファンに支持されるものも多いが。

では何でこんな説を出したのかと言えば、FGOではそれが目的で出されている気がしたからなのだ。FGOとは型月の設定を寄せ集めて楽しい物語を作る企画であると私は考えている。そのためにあらゆる事が可能な仮想世界を舞台としているなら納得はいく。またこの説が当たっていたとしたら、主人公はいずれ現実の世界とこれまでの世界、どちらかを滅ぼすことを選ぶことになるかもしれない。偽が時に本物より価値があるというのはFateでは繰り返し語られてきたテーマでもあるのでそれも採用している理由だと考えた。

もしかしたら2部の終章で完全体となり世界を喰い滅ぼせるようになったビーストVIIに対峙するカルデア復活したクリプターやこれまでの異聞帯の面々が加勢し、世界を斬れるようになったエミヤ(村正)とギルガメッシュが共闘するかもしれない。私はそれが見たいのでこれからも致命的な証拠がなければこの説を拡張していく

最後の1ピース

さて、コロナで生じた暇な時間の一部をつかって色々書いてきた3重世界説だが、長くなるので末節の考察はここには書いていない。(SNSだったり他の考察をされている方の動画にちょっと書いたりもしています。6章では超完全体クーフーリンが出てくるとか、7章では量産型デイビッドが100人出てくるとか・・・w)

また、仮に3重世界説が当たっているとしてもその根拠となる最後の1ピース、つまりFGO世界が仮想世界であることの確定証拠はまだ出てきていないと思われる(じゃあハズレなんじゃないのと思った方は大正解)。もし暇でしょうがない方がいたら、ぜひ探したり考察してみてください。何が起きても私はたぶん責任はとれませんw


Q.で、こんなけったいな考察、本当に動画にするんですか?

どうしようかなあ・・・。




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芳崎せいむ原画展に行ってきました!

私の大好きな漫画のひとつ「金魚屋古書店」が遂に完結したという事で記念の芳崎せいむ先生の原画展示イベントに行ってきました!


金魚屋古書店」について

膨大な数の本を保有している金魚屋古書店を舞台に、人々のドラマを描く作品です。

この間出た全17巻で無事完結しましたが、とにかくお話が面白い。毎話ほっこりしながら読んでいました。「サイボーグ009」、「デビルマン」など毎回実在する漫画がドラマのテーマとして登場するのも楽しいです。17巻では「鬼滅の刃」が登場しました。


↑紙の17巻は販売数が限られているらしく、私は運よく手に入れることが出来ました。

試し読みもあるのでもし良かったら調べてみてください

芳崎せいむ原画展


会場のマンガナイトBOOKSさん。漫画好きの為の小さなカフェです。


中には色々な漫画が。


オリジナルグッズも販売中


私はポーチを購入しました。数があったので使用用、保管用と念のためプレゼント用に3つ。


会場には生の原画が飾られていました。

今回試しに360度写真でも撮ってみたのでもしよかったらどうぞ。

入口のマンガ棚
https://theta360.com/s/l25QfOIUThFB6OaHMNVePGzqa

原画など
https://theta360.com/s/asoGX8BzQtFJmFIg8LWizUOa8


密を避けるために20分という限られた滞在時間ですが、とても楽しめました。


 

【ゾイドワイルドZERO 30話】素晴らしき総力戦、巨大怪獣プロレス、ファンサービスの嵐

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※今回サムネ用画像が思い浮かばなかったので(アニメからスクショ取るのもアレなので)買ってたガノンタスを撮って使いました。ガノンタスはゾイドワイルドシリーズだけどZEROには出てきてないかもしれません。