【unity1week お題:密】元ゲーム業界人が1週間でクソゲー作ってみた

時間があったので前からやってみたかった一週間でゲームを作る「unity1week」に参加してみました。unityでのゲーム開発で完成まで行ったことも2Dアクションを作ったこともなかったんですが、おかげで完成まで行けました!この記事ではこだわったポイントや趣味としてゲームを作る楽しみ、こういうことを考えてゲームを作っている、というのをを紹介できたらと思います!

こちらが作成したゲーム「秘密の島」です。この記事ではゲームのオチまで解説するので、PCをお持ちの方は可能ならまずプレイしてみてください。

秘密の島
https://unityroom.com/games/secret_island

スマホの方は下のプレイ動画をどうぞ!

プレイ動画

ゲーム制作は料理と同じ

まずこのゲームの狙いについて。

ゲーム本編や動画で分かるとおり「秘密の島」の島の秘密とは「実は島の形が「秘密の島」だった!」です。



正直一発ネタですがこれにはちゃんとした理由があります。今回初挑戦でお題「密」に沿ってないとは言われたくなかったのでプレイヤーが乗ってるステージの形を「密」にして、全体を「秘密の島」にしたのです。これならどんなにしょぼいゲームを作っても「密じゃないじゃん」とは言われないと思ったのです。


↑誰が見ても密なゲーム

そして、このネタを実現するために必要なのは「最後までクリアさせる」という事です。どんな人でもクリアできるように難易度を抑え、オチをちゃんと見ていただくのが今回は大事だと思いました。

余談になりますが、ゲーム制作というのは実は料理と同じで食べて(プレイして)もらう人がいてやっと完成すると思っています。今回のようにクリアは楽にできるゲームや反対に高難易度のゲームなど色々種類はありますが、大事なのは遊ぶ人の事を考える事だと思っています。同様にゲーム制作で楽しいと感じる瞬間の一つに、料理が(ゲームが)出来た時もそうですが、狙い通りになって美味しい(楽しい)と言ってもらえた時というのがあると思っています。


↑料理もゲームも作るだけでも楽しいですが、味わってもらえるともっと楽しいですね。

一応動画や記事のタイトルは興味を持ってもらうようにクソゲーと付けましたが、この後説明するとおり、クソゲークソゲーなりに限られた時間内でちゃんとできる物を作っているつもりです。まあ本当はこんな記事をかかずとも伝わるように作るべきなんですが・・・。(あと元ゲーム業界人というのも一応本当です。新卒で入ってプランナー、テスターと広報を計2年やっていました)

ゲーム設計

続いて上記で語ったねらいを実現するために設計をしていきます。

まずは何をおいてもクリアしてもらう必要があるのですが、だからといって障害物も何もないステージでは味のない料理を作っているのと同じでプレイしている人を飽きさせてしまいます。そこで今回は「密」というステージの形を活かして設計をしました。



緑の線がクリアするだけの時に通るライン、赤が危険地帯です。この設計により、「クリアするだけなら簡単だが、おまけ要素までコンプリートするとちょっと歯ごたえのある」感じを狙いました。ゲームが上手くない人は緑のルートを通ってオチだけ楽しむ、慣れてる人はコインの回収するため危険地帯を通るというわけです。

そのため上手くない人が危険地帯に入ってしまわないように警告を置いたり、更なる上級者のために一度も死んでいないというマークを画面に用意してクリア時にそれが証明できるようにしました。



コインとゲームルール

本作ではおまけ要素としてコインの収集もありますが、マリオなどでも集めるアイテムでコイン(お金)がシンボルとして使われます。そもそもなんでコインなんでしょう。私が思うにコインには「集めたくなる」「集めて嬉しい」要素があるからだと思います。シンプルですがこの分かりやすさというのはとても大事で、それが伝わらないとゲームというのは理不尽に感じられてしまい味わってもらえなくなります。


↑もちろんコインだと分かる事も大事です。このデザインは・・色々とどうでしょう・・。


ちなみにちょっとした工夫ですが、本作ではゲーム開始時点からコインが見えています



これにより、ゲームに詳しい方ならまずあれを取りに行こうと想って、右に進みますし、ジャンプもしてくれます。またその下にある浮いてる土台にも乗ってくれると考えました。土台が下に何も危険なところがないのも狙っています。色々やって、ここで土台に関するルールを自然に覚えてもらうのが目的ですね。

もちろん、ここをスルーしても次に罠であるドクロを超えたり、地形を超えるために土台を使うので大丈夫です。


↑隙を生じぬ3段構え(土台のルールの学習)

あと何度も言うようにゲームが苦手な人でもクリアできるように作ったのですが、そんな人でもコインは何枚か手に入るようにしました。これによりできるだけ取るという小さな目標が生まれますし、クリアできてもまだゲームには奥がある事を伝えたかったのです。

罠(ドクロ)

プレイヤーにとって危険な存在であるドクロですが、これの配置にもちょっとしたこだわりがあります。

まずその前に、ゲームにおいて危険とは何かを話します。前章のコインの話とも近いのですが、いいゲームに共通している事は「危険が理不尽でないこと」というのがあります。冒頭で話した通りゲームには様々な難易度の物があるのですが、たとえとても難しい難易度のゲームでも危険には事前に学習できるチャンスがあり、迫ってくる予兆があり、回避する手段があるべきだと思います。よく素人が作るゲームでプレイヤーが予兆なく死んだりするゲームがあるのですが(実はそういう罠は作り手としては仕掛けるのはとっても楽しいのですが)、プレイヤーからするとゲームを投げてしまう要因になります。


↑理不尽な罠をゲームに仕掛けてワクワクの作り手とそれを体験するプレイヤー

さて、ではドクロを見てみましょう。まず前章で話した通り1つ目のドクロには触ると死ぬ事を学んで貰うために他に何もない、かつ上に土台を置いて回避できるような場所に置いてあります。




2つめのドクロは上に土台が無いですが、地面を1段下げて設置しておりジャンプで回避できるルールを覚えてもらうようにしています。また勢いあまって手前の高台からジャンプして降りると当たる場合もあります。




次のドクロはドクロマークの先にある中級者以上向けの場所なので少し難易度を上げています。



まず確認せずに土台に乗らずに落ちてきたプレイヤーを狩るように1つ。これは土台を一つずつ降りるか、とっさに右に着地すれば回避できます。


↑「YOU DIED」とかでもいいんだけど漢字って便利!
インパクトあるし1文字で済むので(容量削減))


次、かなり分かりにくいのですが、きのこが生えたブロックには地面判定がなく落とし穴になっています(あと地面の色も微妙に変わってます)。



実はきのこは2つ目のドクロの下にも生えており、伏線になっています。まあこれだけでも分かりづらい上に、ステージに沢山咲いた赤い花でカモフラージュしてるちょっとうざったい罠なんですけどね。



ちなみに落とし穴の壁になっている木の幹ですが、これもそこだけ幹があるとバレるのでステージから落ちないように不自然に長い木を生やしたり、ステージ全体に幹を背景としておいたりしてます。



余談ですが子供のころ、ゲームをやっていて木で進行を妨害された時「こんな木横通ったりすればいいじゃん」と思ったりもしたんですが、いまならそのゲームを作った人の気持ちがよくわかります。いやー木って便利ですね!


この後のドクロもゲームが苦手な人が通らない場所の物はギリギリの位置でのジャンプなどを要求されたりプレイヤーの行動を読んだりして設置しています。

例えば最下段の左側、プレイヤーは左上のコインを取るためぐるっと回りますが、その途中で土台から飛び降りて取るコインがある事にも気づきます。しかし飛び降りた先には一度かわしたドクロが配置されているため気づかないとここで死ぬ事になります。


↑コインが一列にならんでいるのもこだわりポイントです。

でもクソゲーじゃねえか!

とまあ今回込めた色々こだわりを紹介してきました。私のゲームに限らずいいゲームというのはこういう仕組みが沢山込められています。プレイする時に気にしてみたり、あるいは私のように作ってみると新しい楽しみに気づくかもしれません。時間があったら是非やってみてください。

あと色々語りましたが実は設置したコインに取った時たまに+2されるというバグがあり、まだ解決できていません・・。



やっぱりクソゲーじゃねえか!

【更新 5/5】バグの原因が分かったのでアップデートで修正しました!まあクソゲーであることには変わりないけど、ちゃんと遊べるクソゲーになりました

記事を書いた人

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おまけ

あと一応制作時にお世話になったサイトはこちらです。本当に助かりました!
Unity 2Dアクションの作り方
https://dkrevel.com/makegame-beginner/before-2d-action/