【令和の大建立】格ゲーマーマイクラ ウメハラ記念碑の設計図の裏話(詳細版)

格闘ゲームのプレイヤーが集まってマインクラフトをする企画でプロ格ゲーマーの梅原さんCPT予選優勝で突然立ち上がった巨大な絵を作るという企画。私は設計図をつくるお手伝いをしてましたので、その裏側をご紹介します。総師範KSKさん(以下、KSKさん)了承済みです。


↑右下にアールさんいたのみんな気づいた?w
あと「格ゲーマーマイクラ」じゃなくて「格ゲーマイクラ」になってましたすみませんorz

まずは完成した絵を見ていただきたい。

これは格闘ゲームのプレイヤーが集まってマインクラフトをする「格ゲーマーマイクラ」で完成された巨大な絵、つまりMinecraftのブロックを積んで作られたものなのだ。1ブロックを1m立方とすると、全長191mx高さ199m。67種の計24582ブロックを素材無限のクリエイティブでもなく、出力に自動ツールを使わず、全部素材を集めて1つずつ積んでいくサバイバルモードで作ったものだ。しかもチームの半数がマイクラをはじめて半年も経っていない。


制作に関わったクラフター達(大須さん撮影。掲載許可をいただきました)

この絵はプロ格闘ゲームプレイヤーの梅原さんが大会の地域予選を突破し、本選に出場することとなったのが制作のきっかけである。当の梅原さんの反応を見て欲しい(反応の位置から再生されます)



さて、上記の動画でも名前を出していただいて光栄であるが、タイトルにもあるとおり私はこの絵の設計図を担当させていただいた。その顛末の簡略化された概要はこの動画で語っているので(字幕付き)、ここではより詳細に余談も交えて話させていただこう。

設計図に着手するまでの(マイクラ熱復活の)話

私は元々マイクラが大好きだった。サーバーを作り仲間と遊び、クリスマスやハロウィンでマイクラのコスプレをし、毎年マイクラ公式に贈る年賀イラストをマイクラで作っていた。超会議にもユーザー記者としてマイクラのコスプレで参加したことすらある。


イクラ開発者に今も毎年送ってる年賀イラスト(クリエイティブモード)

年賀イラストだけは今も続けているが、サーバは外部ツールを使ったバージョン間の移植に失敗し、閉鎖となってしまった。その結果プレイはバージョン1.9以降ほとんどしなくなっており、他の方の動画だけ見る状態が続いていた。しかし梅原さんが格ゲーマーマイクラで目を輝かせてプレイしている様子を見ているうちに自分ももう一度やってみたくなり、今は配信を見ながら一緒にシングルのワールドでコツコツ遊んでいる。

格ゲーマーマイクラでリーダー役を押し付けられていたKSKさんが他の方と巨大絵で積むブロックについて喧嘩していた時も「大変だなあ」と呑気にマイクラの家の整理をしていた。この後自分も大変な事にまきこまれに行くのを知らずに。その後設計図が必要だというコメントをKSKさんに読んでいただき、誰か手伝ってとおっしゃていたので、言い出しっぺの責任を取って設計図を担当することにした。

設計図作成

さて、そうして設計図制作を請け負うことになったのだが、そもそも皆さんは配信でちょっとだけ見えた以外は設計図がどういう物か分からないのではないか。

これが右腕の部分の設計図だ。


よく見えないだろうからもうちょっと拡大しよう


マスに白とかグとか書いてあるが、この1マスが1ブロックであり、文字がそのブロック名になっている。外側の赤いマスは白い羊毛だがここは作成しない。例えば白は「白色のテラコッタ」である。ただし「白樺の原木」かもしれないし、「白樺の板材」かもしれないから注意だ。こういうマスが256x256マスある

この設計図はくりさきさんが作ったツールで制作されたものだ。
https://kult0922.github.io/minecraft_dot_vue/

上の裏話動画で言っている通り私は設計図を担当することになった夜、くりさきさんに連絡をとり、ツールから設計図を作れるようにできないか頼み、近々にそのアップデートが行われることを知った。ただ万が一その設計図が手作業で積むことを想定していなかったり、機能にバグがあった場合に設計図がない状態をさけるため、同時並行で手作業で設計図作成を行った。


それがこちらである。各マスに■を入れて置くと左のセルから文字がはみ出ないという他では使い道がない技にも開眼しつつ、ブロックごとの微妙な差をPhotoshopで横に並べて見分けるため、画面の反射を抑えるためにカーテンを閉じ、明かりを消した部屋でひたすら水瀬いのりさんの「旅の途中」をヘビロテしながら、ツールのアプデが来るまでに4日で4割ぐらいまで作った。

なにせブロックの種類が67もあるのだ。目視で見分けるのがとてつもなく難しい。黒い羊毛の中にまぎれた黒曜石とか

↑黒曜石あるのわかります?

微妙に茶色が違う原木とか

↑このエリアに4種類の原木が使われています。

あと設計図がなかった時に論争がおこった茶色のテラコッタエリアなど難関はいくつもあった。

↑正直これを最初設計図無しで作ろうとして喧嘩になったのも納得である。

最終的には機械的に作られた設計図をエクセルの機能でテストして一部以外問題がなさそうなので(その一部のエラーは修正して)渡した。


正直、漫画を描いたことがないのにコミケに漫画を出した時の方が2倍ほどつらかったし、配色など絵に関する知識も分かったので楽しい作業ではあった。私の作業は終わったわけだがしかし問題はここからだ

地獄の素材回収・積み上げ作業

私が関わる前から絵の素材の収集は終わっていた。しかしツールがアップデートされたことで必要なブロックが変わったのだ。

しかもよりによってネザー(地獄)で取れるグロウストーンが多くなってしまった。

↑腕のちょっと明るい所にグロウストーンが増えた

そこで私は必要なブロックの数の差をエクセルの機能で算出しKSKさんへのメモを設計図にいれていた。

↑グロウストーンの差分に注目

しかしKSKさんは完璧にこだわりたいのか、撮れ高重視なのか、凡ミスなのか知らないがそのメモをまさかのガン無視!設計図通りに積む作業と文字通り地獄の素材回収作業が始まった。配信としては面白かったので観てない方はぜひ見て欲しい。

↑これは格ゲーマーマイクラでなく、裏話動画の1シーン。KSKさんの真意はいかに。

本当に良く一人も脱落せずにイクラ歴数年の私から見ても苦行を乗り越え、完成までこぎつけたものである。



そうして改めて絵をみると感慨深い物がある。我々がよく知る歴史的建造物の建設の裏にもこうした人々の苦労や努力があるのかもしれない。そう思った2020年の8月だった。私は楽しかった。

改めて制作に関わった全ての人へ敬意を!そして梅原さん予選突破おめでとうございます!本選も楽しんでください!!


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