この記事には重大なネタバレが多く含まれるので、クリアしてない方は見ないでください。また内容をスクリーンショット等で撮影し、SNS等で公開するのもお控えください。感想を書いてくれる場合はコメントに書くか、SNSの場合は ※ネタバレ注意 と #メタファー のタグをつけるのをお忘れなく。万が一もらした場合は責任は取りかねません。
まず謝罪
メタファー:リファンタジオを10月26日にクリアしました!
クリアしました!少なくとも自分にとっては「今」プレイして良かった作品でした。
— ShoyoFILMS (@shoyofilms) October 26, 2024
プレイしてて時間は空いちゃったけど、これから私も幻想(ゲーム)を作るぞ!#メタファー pic.twitter.com/bjKlrBz9lR
とても楽しかったのですが1点謝罪を。私は体験版が配信されてから(ペルソナとかの経験から)「難易度HARDで遊ぶと面白い」という動画をアップしました。
ですがセーブデータを見ればわかるように自分はあれだけ人にHARD薦めておいてNORMALでクリアしてるんですね。この原因については感想と要望で話すのですが、とりあえず申し訳ありませんでしたm( )m。
クリア感想
クリアした感想としては上のツイートに書いたように本当に「今」やって正解でした。作中の世界と同じく不安や悪意に溢れる世の中で、それでも世界の美しさを見つけながら否定するのではなく、世界や不安に打ち克ってともに歩み、理想をとなえ、それを幻想で終わらさない方法を探していく。ちょうど現実でも選挙があるタイミングでクリアできたのも良かったです。
新しいIPを立ち上げるのもそうですが、それだけでなくシステムも各アトラスRPGのシステムを継承しつつ、ペルソナ5に比べてもさらにターン制RPGの楽しさを拡張できていたのは本当に素晴らしいの一言です。特にバトル前のファストやコミュあたりはマジでいいのでペルソナ6にそのまま引き継いでほしいですね。
出来ることが増えすぎてチュートリアルがペルソナ5ほど手厚くできていなかったり、ノーマルで十分すぎるほどの手ごたえを覚えたり、改善して欲しい所が沢山ある(後述)のですが、セオリーがある程度確立されたペルソナよりも広い幅でプレイヤーによってスタイルの異なる攻略が可能になったのはとても良かったと思います。
また発売前やプレイしながらツイッターを検索していたのですが、様々な理由でペルソナやメガテンにあまり食指が動かない方もプレイしていたようで、その層にもリーチできているのは凄いと思います。
更に(個人的にはもっと寄せて欲しかったですが)あえてペルソナやメガテンの良い所を寄せすぎないように作ってる所も多々あるため、それぞれがどういうゲームなのかを改めて考えるきっかけになりました。
また邪推ですが、アトラス過去作だけでなくドラゴンクエストやファイナルファンタジーのメタファー(オマージュ)のような要素もあり、楽しかったです(ユーファがFFXのユウナのようだったり、モアがドラゴンクエスト ユア・ストーリーのミルドラースと同じような事を言ったり)。
私個人の後悔として、もっといろいろアーキタイプの構成を試せばよかったのですが、先のストーリーが知りたすぎて戦闘をごり押ししてしまったのはちょっともったいなかったかもしれません。ディーラーとかを駆使してたらMPも足りてHARDで行けたんでしょうか・・。
世界観はペルソナよりもかなりダークで特に子供が容易に死んでるのは攻めてるなと(海外では子供はゲーム中でもあまり死なないので)思いました。ただシナリオは色々な情報を見てて考察していたよりも良い意味で驚きは少なかったですね。
考察
以下は考察のため余談なのですが少しだけ。
ルイがやりたかったこと
これは他の方の感想を漁っていると「もっとルイの思っている事を描いてほしかった」というのがありました。私も見たかったとは思いますが、ただこれ以上描くと想像力を邪魔してしまうと思いますので本編ぐらいが良かったのではないかと。
私が思うにルイは不安により幻想を失ってしまった人なのではないかと。私はメタファーのメッセージを「幻想を抱いていければ未知なる物にも恐れず希望をもって立ち向かっていける、逆に幻想が抱けなければ不安が生まれ、ありもしない恐怖により破滅が訪れる」ではないかと思っています(それ故に過去のアトラスのゲームの要素が盛り込まれた、設定でもシステムでも「どこか見たことがある」けど新しいRPGになっていたのではないかと)。
ルイは幼少時のトラウマより物事を良い方向にとらえる幻想の力を失ってしまったのではないかと思います。それ故に身に抱える膨大な不安から生じる強力な魔力の才を持ちながらも、醜い現実を直視するしかなく、嘘や幻想を嫌うリアリストになってしまったのではないかと。
ただそんな彼にも理想はあったのかもしれません。幻想小説に描かれたかつての世界(ルイは現実の過去であることを知っている)が差別がない今より穏やかな世界であり、現状を一度壊せば、そこにたどり着けるかもしれないと。ある意味一番大きな嘘を信じているわけですが、そんな彼をアロンゾのような嘘を扱う詐欺師も味方につけた幻想の存在である主人公が越えていくストーリーが良かったと思います。
【追記】もうちょっと書きました
あと冗談でクレマール族の誰かの角が取れるんじゃないかと公式生放送でも他の人とコメントしてましたが、本当にルイの角が取れちゃったので故意ではないですが結果的にネタバレしちゃいました(笑)。これはすみませんでした。
鎧戦車の真実
上記でもっとダークな世界を考察していたと書いていますが、具体的には鎧戦車が歩くのはユークロニアがニンゲン(ホモ・アヴァデス)を繁殖させて殺し、その肉体に装甲をつけて鎧戦車を作ってると思っていました。マジでただのメカなんですね・・。
鎧戦車がニンゲンから出来ている事を後半ルイから告げられた主人公が怒りで1度世界に絶望する展開もあるんじゃないかと思ってました。エヴァの山下いくとさんがデザイナーなのでこれは・・と思っていたのですが、そんなことはなかったですね(笑)。
要望
ではメインディッシュに移りましょう。めちゃくちゃ長いので、感想だけ知りたい方はここまでで。ありがとうございました。
こうだったら良かった、という主旨で書きますが、あくまで自分の今後のゲーム制作のアイディア出しの為に書いているだけであって、アトラスに変えて欲しいわけではありません(参考にしてもらえたらとても嬉しいですが)。
そもそもゲーム制作に正解はありません。自分がここに書いているようにしなかった理由もあるかもしれないですし、書いたことを全て実現しても良いゲームになるかはわかりません。またスタジオゼロは世界に売るために限られた期間と予算でゲームを制作しており、切り捨てた仕様も多かったのではないかと思います。なのでそれを踏まえてご覧ください。
MPの枯渇
自分がNORMALにしてしまった理由2つ目にして最大の理由(1つ目は先のストーリーが気になったから、です)はすぐMPが枯渇していたからですね。自分の戦い方がまずかったのではないかと思いますが、とにかく常時MPが枯渇していたため、HP消費の物理技(脳天落としや強付き等)に最後まで頼っていました。
MP回復アイテムもそこまで多く手に入らなかったです。マジシャンのアクションで敵を気絶させたり倒すとMPが回復するという仕様も使っていたのですが、欲しい量まで回復するのに時間がかかるのとアクションが下手なのでレベル上げ以外ではあまり使わずNORMALに下げてしまいました。
自分が作るとしたらやるのはマジシャン系のアクションでの回復量を5倍ぐらいに増やすかもしれません。あと回復アイテムをドロップする敵を引き寄せ結晶は確実として他にも増やしたり、ダンジョンの色々な所に隠したり、そもそも街でもっと売ったりすると思います。控えメンバーにしていたら戦闘終了毎にちょっと回復してるとか後述のモアのクエストクリア手に入るとかでもいいかもしれません。
あとHP依存やディーラーのように他の数値依存の技を増やすとかですかね。特にアクションでHPが回復するガンナーの物理技でもMPがかかるのがあるのはHP消費技に変えた方が良い気がします。
HARDの取得経験値を調整する
上記のHARD推奨動画でも話していますが、自分が難易度をあげるのは苦しい思いをしたいからではなく、ゲームのシステムを駆使して最大効率を見出し、楽しみ尽くしたいからです。ゲームが簡単な場合、システムをすべて使わないでも勝ててしまうので難易度を上げてるわけですね。
私が難易度をNORMALにした理由3つ目ですが、メタファーにはノーダメージキルボーナスというのがあり、敵からダメージを受けずに倒すと経験値が1.5倍になります。あわせて難易度をHARDにすると得られる経験値は変わらないものの、敵に与えるダメージが減ってしまう仕様になります。つまりHARDの方がノーダメージキルがしにくくなり、経験値を得られにくくなっているんです。成長速度が遅くなるので、これはちょっと辛かった(勿論自分のプレイの仕方も悪かったのだと思いますが)。
自分が調整するならHARDは取得経験値を1.5倍ぐらいにすると思います。難しい分、アーキタイプをどんどん育てられてできる事が増えるようにしたいです。
モアのクエストの増量
モアのクエストはフォロワーランク分の8つしかありませんでした。更に内容も戦闘で使って高いダメージを出す、ではなくアーキタイプのランクをアイテムで上げれば達成できてしまうものでした。
簡単でいいのですが、個人的に(言い訳ですが)この導線の弱さが自分がディーラーとかをあまり使わなかった理由でもあるので、例えばディーラーのスキルで「コマンド戦闘中に累計50000リーブ稼ぐ」みたいなのをフォロワーのクエストとは別にアーキタイプ分数段階用意して、やらなくてもいいけど埋めていく過程でちゃんとプレイヤーがアーキタイプを色々使うようにクエストを設定した方が各アーキタイプの強さに自然に気づけて楽しくなると思います。
固定アーキタイプとサブアーキタイプ
メタファーの良い所でもあるのですが、アーキタイプを付け替えられるせいで、このキャラは何属性というのが決まっているペルソナと比べてパーティメンバーの個性がちょっと弱いかなというのがありました。他にもゲーム終盤で急にとても強いロイヤルアーキタイプが登場したり、急にイベント戦闘が始まり、育成中の弱いアーキタイプを付けたまま戦わないといけなくなるという場面が何度かありました。対策としては固定のアーキタイプと追加で付け替えられるアーキタイプに分けたらどうでしょうか。
例えばヒュルケンベルグはナイトが固定でそれに別のアーキタイプが付け替えられるようにします。そうすればナイトの雷弱点を補うためにガンナーにしたりといった戦略も生まれますし、使えるジンテーゼの幅も広がりますし、ナイトは常に育てているので急に戦闘が始まってもある程度は対応可能になります。ロイヤルアーキタイプも固定アーキタイプの派生として他に覚えるアーキタイプなしで設定すれば納得感もあると思います。
元々アーキタイプは他人を見て感じる英雄象なので自分の個性とは別に存在するわけです。なので固有と切り替え可能に設定できるのも違和感はないと思います。
戦闘中のアーキタイプの変更
メタファーでは戦闘中にアーキタイプを変更できませんでした。ですが1ターン消費することでアーキタイプを変更できるようにすれば戦闘中の試行錯誤もできますし、好きなメンバーで戦闘もできます。またジュナだけはターン消費無しで即座にアーキタイプを変更できればキャラの個性も際立つと思います。
戦闘開始時だけではなく戦闘前に戻せるように
メタファーは戦闘開始時点に戻せる便利機能がありました。快適ではあるのですが、そもそもファストアクションに失敗して、ターン制戦闘に突入した時点で詰んでいる状況というのが存在しました。そこで戦闘前にも戻せるようにすればよりストレスなく戦闘が出来ると思います。
鎧戦車ワープを無くす(旅感の強化)
ストーリーにもかかわると思いますが、個人的には鎧戦車がワープできてしまうのは好きな時に街にいつでも戻れるということでせっかくの旅の感覚が思ってたより少ないなと感じました(例えば街を移動して戻れないペルソナ5スクランブルの方が旅感はあった)。
また後半鎧戦車が飛べるようになりますが、ワープの方が驚きが強かったのでワープはしないようにします。
街に戻れないとフォロワーや街の機能はどうするのか、という話になりますが、そこで配達屋と映像電話という設定を加えます。人や物を空を2人乗りの小型鎧戦車で飛んで半日で運んでくれる存在とお互いの映像を見ながら会話できる魔道器ですね。大型の飛行鎧戦車はカラドリウスだけですが、小型のは沢山あるという感じです。
拠点の鎧戦車はニューラスに任せて移動しつつ、各街には半日で戻れる。鎧戦車にいるフォロワーのエピソードなどでは配達屋でそれぞれの街に戻る。マリアなどの街にいるフォロワーは映像電話で通話することで進行する場合も用意します(後半は話が深刻なので直接会いに配達屋を利用する)。さらに武器やアイテムの購入は配達屋に映像電話で頼むことで半日後には届いているようにします。
配達屋に頼むとアイテムの入手に半日かかるが、街に行った場合はその場で入手できるというようにすると更に旅感が高まると思います。
鎧戦車機能の充実
鎧戦車では英雄の宝玉根や光葉を育てる事が出来ましたが、育てられるのは1つだけで時間経過もかかりました。
これを最大10個まとめて、更に植えるのと収穫は時間経過無しで出来るようにします。それに加えて水槽を用意し、釣りがいつでもできるようにします。
例えばニューラスのフォロワーランク上昇とともにこういう鎧戦車の機能が拡張されたら楽しいと思います。
候補者の順位だけでなく、支持者の人数も表示する
メタファーの選挙戦は基本的にシナリオ誘導型なので、順位は行動で変わることもありますが、後半になるとイベントをこなしたのに順位が全く変わらないという事が何度かありました。
そこで順位に加えて支持者数というのを表示するようにします。そうすれば順位は変わらないが、支持者の数は増えたというのが目に見えることになります。
支持者はクエストで増えてもいいですし、演説をうまくすることでも増えますし、単に街の人に話しかけたり物を配ったりすることで一人ずつ増えるのもいいと思います。そうすることで街の人全員に話しかけるモチベーションにもなります。
あとプリンスのロイヤルソードなどのスキルの威力に支持者の数が影響するという設定にすれば最終的にバトルにルイを武力で倒して王になったのではなく、民の不安を集めた魔力で襲ってくるルイを、それを上回る支持を集めて勝利したのだという印象になります。
顔なじみの候補者が離脱しないようにする
メタファーの選挙が現実の選挙と違うのはリナなどの顔なじみの候補者が途中で脱落してしまう事です。もちろん世界設定的には候補者が死亡したりして脱落することはあるのだと思います。ただ顔なじみの候補者は最後まで生きているわけですし、脱落するのは少し寂しかったです。演説で討論する相手も減ってしまいますし。
細かい違いですが脱落せず、最後まで選挙を走りつつ主人公に一定の理解を示して最後には応援してくれるという設定にすれば、天の巨顔攻略時のランク復活イベントにも説得力が増して楽しくなると思います。
主人公の復活理由を明確にしてイベント化する
終盤、ルイから魔力を注ぎ込まれた主人公はニンゲン化するのを阻止するため、自ら心臓を握りつぶします。その後民の支持の力で復活したという説明が入るのですが、個人的には取って付けた感がありました。
そもそも1度は被害にあってるのに何もニンゲン化対策もしないで戦いに行くのもどうなのかとも思います。
心臓を潰したのに生きていた説明は主人公が王子である自分と合体したので心臓が不完全ながらもう一つあり、民の支持でその心臓が再び動き出したという説明でどうでしょうか(というか実際の復活理由もそうだし、主人公もある程度それを狙って心臓を潰したのだと思っています)。
更にここをイベント化できればシナリオに驚きが足され更に楽しくなると思います。
秘書を設定できるようにする
メタファーではペルソナと違い、彼女を作る事が出来ません。あえてそうしたのだと思いますし、設定的にもいいと思うのですが、やはり特別な相手というのを設定できればいいなと思いました。
そこでいずれ王となる主人公に付いてくれる存在、秘書を特定の日にその時点で条件を満たすフォロワーの中から選べるようにします。選んだ相手によって貰えるアイテムの違いと会話イベントがあると楽しいと思います。
ミミック系モンスターの対応方法
ミミック系モンスターは明らかに配置が怪しいのがあり、ミミックだと気づいてもアイテムを手に入れるために戦わないといけない場合がありました。宝箱形態のミミック系にもファストを当てられて気絶させるようにできたらもっと楽しかったかもしれません。
アイテム欄の整備
ペルソナの時からそうなのですが、他のUIは素晴らしいのにアイテム欄だけ整理が出来ておらず、特定のアイテムを探すのに時間が掛かるというのがありました。
メタファーでも相変わらずフレーバーの為にアイテムが沢山ありますし、バトル以外だと仮面や食材などが同じタブに入ってしまっているのは洗練されてないなと感じました。
そこでアイテムの種類によるタブ分けは勿論、検索で何をしたいのか(HP回復、MP回復、ステータス回復等)種類を横断して検索できる画面があると良いと思いました。
敵を見分けやすく
一部の敵、例えば杖を持っている国軍兵士と槍を持っている国軍兵士の違いが分かりにくいと感じたので衣装の色を変えるなど分かりやすさを向上させたいと思いました。
ダンジョンでローリングをしたら味方がどいてくれるように
本作では街の人やダンジョン中の仲間にも当たり判定がありました。そのため、ダンジョンで狭い所に行くと後からついてきた仲間が道をふさいで詰まってしまう事がありました。もし主人公がローリングをした時にどいてくれれば解消できると思います。
浄化で性能がどちらかになる武器の廃止
デモンズメイルなどがそうだったのですが、浄化をした後、更に浄化することで2つの性能を行ったり来たり出来る装備がありました。面白いのですが変化に気づかないとお金を無限に消費してしまうため、やめるか分かりやすくした方が良いと思います。
ワンモアプレスでもジンテーゼが撃ちたい
これは完全な欲なんですが、どっちかというとプレスターンよりもワンモアプレスの方が好きなので、ワンモアプレスでもジンテーゼみたいな合体技が出来たらいいなあと思ってます。
ワンモアを取ったターンで取った人ともう一人が繰り出せたら楽しいかな
【まとめ】今後が楽しみ
以上でメタファーの自分なりの感想と要望を書いてみました。
改めて言いたいのは要望はアトラスに飲んで欲しいわけではないという事です。むしろメタファーという大作を体験できたので、もっとやりたい事が生まれたわけです。
アトラスのペルソナやメガテンシリーズは常にターン制RPGの可能性を広げてきたと思います。そしてその流れはメタファーで更に発展しました。
偉大なる先駆者であるアトラスに敬意を表しつつ、多くの着想をいただけた感謝とともに私も一人のゲーム開発者として自分のゲームで人に幻想を与えていきたいと思います。ありがとうございました。
記事を書いた人