史上最強の弟子に俺はなる!ストリートファイター6のワールドツアーを少年漫画のロールプレイで楽しんでみた!

6月2日に発売されたストリートファイター6(以下、スト6)』。発売3日目にして既にプレイ人数が100万人を突破したニュースも流れたので既にプレイされた読者の方も多いだろう。しかし中には「でも格ゲー(格闘ゲームの略)なんでしょ?」「楽しそうだけど難しそう」「楽しさが分からないかも」と思ってまだ避けている方もいるかもしれない。

 

そうした方に知って欲しいのは本作が「格ゲー以外の楽しみ方もできる」という事だ。例えば筆者は格ゲーは下手だが対戦もできるアクションRPGとして楽しんでいる。

 

本作にはゲーム機のコントローラー向けの、少ないボタンでプレイできるモダンやダイナミックの操作システム、キャラクリエイトを行い世界を冒険しながら戦って、格ゲーの奥深さを体験できる「ワールドツアー」があるのだ。しかもワールドツアーはよく格ゲーについているキャンペーンやストーリーモードの比ではないボリューム(約20~25時間)が用意されているのが嬉しい。ワールドツアーだけで8000円の価値は十分にあると言えるだろう。

 

戦闘は格ゲーだがキャラクリエイトあり、装備あり、アイテムあり、会話イベントありでRPGのように楽しめる。それがワールドツアーだ!

 

そこで今回は格ゲーには明るくないが、他のジャンルのゲームやアニメ、漫画などサブカル作品が好きな方のために、ワールドツアーを私の大好きな作品でシナジーがある格闘漫画『史上最強の弟子ケンイチのロールプレイで遊んだ様子をレポートをお届けする。

 

史上最強の弟子ケンイチとは

史上最強の弟子ケンイチ(以下、「ケンイチ」)』は2002年から2014年まで週刊少年サンデーで連載されていた格闘漫画だ。作者の松江名先生はその後トキワ来たれり!!を制作、そして現在は君は008を連載している。

 

主人公の白浜兼一はいじめられっ子だったが、ある日ヤクザに絡まれている少女、風林寺美羽と出会い、彼女の実家で様々な武術の達人が住まう梁山泊と縁が出来る。

 

弱い自分を変えるため美羽に教えを受け、いじめっ子に勝利すると今度は空手部の先輩に目をつけられる。その先輩も梁山泊で訓練を受けて倒すと、街を牛耳るチンピラ集団に、そして更に世界を牛耳る武術集団の弟子グループにとどんどん目をつけられる敵が強大になっていく。

 

彼はその困難を敵との試合より過酷な様々な武術の達人たちから受ける地獄のトレーニングで技を習得し、それを組み合わせることで独自のスタイルを築いて、己の信念を貫くため、強敵と戦っていくのだ。

師匠達から教わった異なる武術の技をコンボに組み込むケンイチ

 

驚異のキャラクリエイト

ワールドツアーを始めてまず驚くのはキャラクリエイトの豊富さだ。体つきや顔など肉体だけでも50を超える数の項目があり、理想に近いキャラクリエイトが可能だ。

肉体の大きさも格ゲーの当たり判定に影響があるという

 

早速兼一を作ってみた。髪型はピッタリの物は無かったが、かなり上手く出来たのではないだろうか。

自分の事をケンイチだと思っているメトロシティ人(という設定にしないと女性を殴れないので)

自分をケンイチだと思っている人のレシピ

 

ちなみに作ったキャラは保存は勿論、ワールドツアー中に変更が出来る他、対戦でも使用可能だ。気分で変えられる手軽さでキャラをいじれるのはありがたいし、例えば他作品のキャラを再現してその作品限定の大会を開くなどの楽しみ方も出来るのではないだろうか。

 

キャラクリエイトとワールドツアーの最初の部分は無料の体験版から遊ぶことが出来るので気になった方はまず試してみる事をおすすめしたい。ちなみに体験版で作ったキャラはそのまま製品版で使用可能だ。

 

ストリートに繰り出そう

使いたいキャラの素体が出来たら、操作のチュートリアルを終えてストリート(街マップ)に繰り出そう。

 

ストリートでは道行く人に勝負を挑む事が出来る。また地域によっては敵が襲い掛かってくるので注意が必要だ。

道行く人に戦闘前に奇襲をかける事も可能

 

戦闘に備えるためには服屋で衣装(それぞれ上昇するステータスが異なる、見た目装備と性能装備を両方装備可能)を選んだり、お店でアイテムを購入したり、経験値やアイテムがもらえる特殊なクエストをこなす必要がある。

コマンド入力の練習が出来るミニゲーム「HADO PIZZA」

 

相手は最初のエリアでは敵のレベルも低く、棒立ちだったり単純な行動しかしてこない。しかしある程度進むと攻撃を仕掛けてきたり、高く飛んだりしていて対空攻撃でないとダメージを与えられない敵が出てくる。

様々なパターンの敵に対処することで下手な人も自然に格ゲーの基礎を学び、強くなれる仕組みになっているのだ。

またリュウ春麗エドモンド本田などストリートファイターおなじみのキャラクター達はレジェンドファイターとして登場する。それぞれその世界の豪傑であることがはっきりとわかる演出がなされており、とてもカッコイイ。

 

プレイヤーはイベントをこなすとレジェンドファイター達に入門ができ、友好度を深めていくことで技を獲得できる。獲得した技を組み合わせて独自のファイティングスタイルを模索できるのはRPGの楽しみに近いと感じた。

異なる武術を組み合わせて戦う主人公、かなりケンイチっぽい!

 

友好度をあげると師匠と一定時間共闘もできるようにもなる。「ケンイチ」では弟子の喧嘩に師匠は出ないという暗黙のルールがあるのだが、スト6では関係ないようだ。

 

ここで格ゲーが苦手な方のためにおススメの技構成を教えよう。ベースのフォームはスタンダードで使いやすいルーク、そこにDJのエアスラッシャー、マリーザのファランクスブランカエレクトリックサンダー、ガイルのサマーソルトを装備。

 

この構成では敵から離れてエアスラッシャーを連打し、相手の体力を削っていくのが基本となる。ジャンプなどで接近して来たらサマーソルトで迎撃するか、ファランクスとエレクトリックサンダーではじき返す。ドローンなど空中の敵はサマーソルトで撃墜するといいだろう。

 

強い技構成だが、1つだけ問題がある。記事を書くために3日ほど集中して長いプレイしたところ、連発していたエアスラッシャーのせいで利き腕が痛くなってきた。仕事に差し支えそうなのでいったん中断し1日ほど休めたところ復活したが、ある程度操作に慣れたら通常技やRボタンを押すと自動でコンボが繋がるアシストコンボ機能を併用するなど工夫があるといいかもしれない。

 

強さとは何か

「ケンイチ」では白浜兼一は勿論の事、兼一の味方や師匠、そして殺人拳を扱う敵すらも考えは違えど自分の信念を貫くために強くなろうとしている。また武術の「強さ」の定義も複数あり、単純に強い者が会得している武術が最強という考え方もあれば、継承した弟子が他の弟子より強ければ最強という考え方も描かれている。

故に「ケンイチ」の弟子達は本人だけではなく師匠から教わった武術の誇りも背負って戦うのだ。

 

ワールドツアーでもそれは同じで、各レジェンドファイター達もそれぞれの「強さ」を追い求めており、主人公は繰り返し、強さの意味を問われることになる。武を究める道(ストリート)の先になにを見出すか、楽しみにして欲しい。



当事者になろう

最後に弱いのに格ゲーをやる意義について改めて話させてほしい。

 

硬派な格ゲーのイメージがあるストリートファイターシリーズだが、実は定期的にスト6のような簡単操作のタイトルも出している。

 

2011年に発売された「スーパーストリートファイターIV 3D EDITION」もその一つだ。ボタンを押せば必殺技がでる簡単操作を使い、発売当時私はコマンドが出来る友達と連日プレイしていた。

 

ただ対戦するだけでも楽しかったのだが、それだけではなく大会などのプロ格ゲープレイヤーの方たちの映像を見るのがより楽しくなったのはうれしい誤算だった。

 

下手でも対決を繰り返していくと必要な身のこなしや技の性能がなんとなくわかるので、わずかではあるがプロの行動の意味などが分かるようになったのかもしれない。

 

スト6は普段は格ゲーをしない方もプレイし、バトルハブなどは連日多くの人でにぎわっている。きっとこれまでにない初心者大会も開かれるだろうし、おなじみのプロたちの戦いもより熱を帯びたものになるだろう。

 

この記事がワールドツアーでスト6への第一歩を踏み出す助けになったなら嬉しい。

 

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